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2004年6月
◇上磯町でも環状列石
 渡島管内上磯町の「館野(たての)遺跡」で23日までに、縄文時代後期(約四千年前)とみられる環状列石(ストーンサークル)が、道埋蔵文化財センターの発掘調査で出土しました。楕円形の環状列石の長さは最大34メートルで、昨年11月に同管内森町の「鷲ノ木5」遺跡で見つかった環状列石に匹敵する規模です。
 見つかったのは、建設中の函館江差自動車道のルートで、仮称・富川インターチェンジの建設予定地から60メートルほどの台地上。調査は函館開発建設部が同センターに委託し、昨年5月から進めてきたものです。道路建設の用地に買収されるまで、畑などとして利用されていました。
 環状列石は南東から北西方向に延びていて、長さ約34メートル、幅約18メートルの細長い楕円形。北西側は道路用地ではないため今は発掘されていませんが、調査が進めばさらに延びる可能性もあります。並べられていた石は約100個でしたが、耕作のため動かされたとみられる石の跡の穴も約50個確認されました。
 また環状列石の内側には、食料の貯蔵用か、墓だったとみられる深さ約1.5メートルのフラスコ状ピット(穴)も14個発見。環状列石の外側には北側と南側に、それぞれ長さ約32メートルの盛土があり、土器や石器の破片、動物の骨や植物の炭化物などが見つかっています。
上磯町館野遺跡 上磯町は函館市の西隣。館野遺跡は町の市街地から南西約5q、下町沢川の右岸の標高約55mの海岸段丘上にあり、主として縄文時代中期末から後期にかけての遺構、遺物が出土しています。既に竪穴住居跡10軒・土坑13基、焼土遺構2基などが発掘されています。

◇新撰組史跡巡りバスツアー
 函館バス(本社・函館市高盛町10、寺坂伊佐夫社長)は7月から、市内の新選組や土方歳三ゆかりの地を巡るバスツアーを始めます。土方歳三最期の地碑など10カ所を半日掛けて回るツアーで、9月末まで毎日運行します。
 コースは、午前8時にJR函館駅前を出発。湯の川温泉を経由し、五稜郭公園、立待岬、碧血(へっけつ)碑、旧イギリス領事館などを巡り、午後12時40分に函館朝市で解散、というものです。

 料金は大人2500円、小学生以下1500円。当日参加可能。問い合わせは同社TEL0138-51-3136。


◇ペリー来航150年展開幕
 ペリーの箱館(現函館)来航150年を記念し、ゆかりの資料などを展示した特別企画展「ペリー箱館来航150年」が29日から、函館市青柳町の市立函館博物館本館で開かれています。
 ペリーが1853年(嘉永6年)に浦賀(神奈川県)に来航してから、翌年、箱館に入港するまでを絵巻やパネルなど約160点を使って、時代順に展示しています。中でも、ペリー一行が箱館入りしたときの様子を絵と文で記録した「亜墨利加一条写(あめりかいちじょううつし)」が、観覧者の注目を集めていました。

入館料は一般300円、高大生200円、小中生100円。8月22日まで(7月19日を除く毎週月曜日休館)。

亜墨利加一条写(市立箱館図書館所蔵) 嘉永7年4月中旬(1854年5月)から1ヶ月弱に渡るペリー艦隊の箱館滞在時の様子を多くの挿絵(一部彩色)とともに記録した史料。
筆者の小嶋又次郎は、箱館の内澗町(現在末広町)で雑貨酒類を営み、町名主を務めていました。ペリーの箱館来航に関する記録は他にもありますが、唯一、民間人の町役人が記録した点に特色があります。

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◇函館要塞の全容明らかに
 明治時代、函館山に作られた函館要塞(ようさい)の調査・研究を進めていた函館産業遺産研究会(富岡由夫会長)はこのほど5年間にわたる活動を終え、函館要塞の全容を明らかにしました。御殿山第1砲台、千畳敷砲台、穴澗低地観測所など、要塞施設は15ヵ所あり、それぞれで榴(りゅう)弾砲や火薬庫などの設備や建物跡を確認しました。施設の状態も比較的良く、同会では「観光名所(函館山)に要塞施設がほぼ完全な形で残っているのはほかにない」と、函館要塞の価値をあらためて評価。今後は保存・活用の必要性なども訴えていきたいとしています。

 同会の調査・研究は2000年にスタート。最初の2ヵ年で穴澗や立待岬などの海浜部、その後の2ヵ年で薬師山や入江山などの山間部を調査し、昨年から今春にかけては最も規模が大きい、御殿山第1砲台、御殿山第2砲台、千畳敷砲台を調べました。
 同会によると、函館山山頂に位置する御殿山第1砲台には、28センチ榴弾砲2門を備えた長円形の砲座が2基あり、砲座の間には地下弾丸庫がありました。また、砲座をはさんだ左右に2ヵ所に観測所が置かれていました。現在、駐車場として利用されている土地の下にはアーチ型のトンネルがあり、砲台へつながるトンネルは閉鎖されているものの、光を取り込むための吹き抜けスペース、湿気を逃すための通気筒などが残っているということです。

 富岡会長は「函館要塞について市民はほとんど知らないし、調査もされてこなかった。今後の保存・活用をどうすべきか提案していきたい」と話しています。
 同会は、これら調査・研究の結果を会報「函館の産業遺産」にまとめる一方、7月3日午後2時から函館市大森町のサン・リフレ函館で開く第9回研究発表会で一部を紹介することにしている(参加費500円)。

函館要塞は、函館湾へのロシア侵攻を防ぐため明治政府が1898年に着工。終戦後の1946年まで函館山は入山禁止とされた。その後、山頂には53年に展望台、57年からテレビ塔が建てられています。

◇新五稜郭タワー建設 06年オープン
新五稜郭タワーの完成予想図 函館観光のシンボルの一つ、史跡・五稜郭を一望する五稜郭タワーが、2006年4月1日オープン予定で生まれ変わることになりました。
 新タワーは、現在のタワーの南隣に建設するもので、地上6階・塔屋1階の全高98m。展望台部分は現在の45メートルから、倍の約90メートルの高さに。スペースも広がり、収容人数は現在の200人から、1千人程度になるということです。
 現五稜郭タワーは新タワー完成後に取り壊され、跡地には市民が利用できるイベント会場施設が建設されます。こちらは同06年11月の竣工予定。
                          新五稜郭タワー完成予想図→
現在の五稜郭タワーは昭和39年の開業。年間で70万人以上の利用者が訪れています。 

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◇箱館戦争史跡ルートマップ10年ぶりに再版
 函館市は「絶版状態」になっていた、市内と道南の歴史の舞台を紹介する観光案内地図「箱館戦争史跡ルートマップ」を、約10年ぶりにリニューアルして再版しました。市の観光課が、市教委や市史編さん室と半年以上の協議を重ねて完成させたものです。
 取り上げている見どころは、「碧血碑(へっけつひ)」や「土方歳三最期の地碑」など市内15ヵ所。観光客が見逃しがちな箱館戦争当時の弾痕が残る亀田八幡宮や、四稜郭などが追加されています。また、大鳥圭介が最後の防御地として指定した上磯町の「矢不来(やふらい)」など、道南9ヵ所。関連として、「ミニ年表」も掲載しています。同課では、「史実の説明も充実させ、資料としても価値がある内容に仕上げた」と説明しています。
「箱館戦争史跡ルートマップ」は、A3判・両面刷り片面カラー・3つ折り。市内観光案内所などに約2万部が配置されています。問い合わせはTEL0138-21-3323(函館市観光課)まで。

◇大門祭 7月17・18日開催
 函館市内の大学生や専門学校生による「第4回大門祭」が7月17、18日の2日間、函館市松風町のはこだてグリーンプラザを会場に開かれます。今年も各校の特色を生かした催しや地域との連携企画など、盛りだくさんの内容が予定されています。
 学生を中心に、地元商店街や企業が模擬店を出店するほか、地元の松風町会や若松町会も参加して「もちつき」や「もちまき」などが行われます。
 函館大谷短大生による「光る影絵」、北大水産学部の「鮮魚のつかみ捕り」、また函館ドレスメーカー専門学校などは「学生改造計画」と題して、ファッションやヘアースタイルなど、日ごろの成果を発表する計画です。
 このほか、ちびっ子ランドの開設、ギリヤーク尼ケ崎さんのパフォーマンスや地元バンドなどによるライブと、大門地区は2日にわたって地域住民と学生が一体となった祭りが展開されます。
大門祭実行委は祭りで開催するフリーマーケット出店者を募集しています。開催日は17日午前10時から午後5時。出店数は15ブースで、1ブース(2・5メートル×3・5メートル)の出店料は1円。申し込み希望は電話かメールで。 同実行委の近藤直樹さんまで。
TEL:090・6063・2018、メール:sasami-daisuki-tomato@d.vodafone.ne.jp

◇新「函館市」 史跡、文化財が倍増 

 現在、函館市の遺跡は141ヵ所。今年12月に5市町村合併で成立する新「函館市」の遺跡は、南茅部町の垣ノ島遺跡や国の史跡指定を受けている大船遺跡といった全国的にも貴重な遺跡を含めて315ヵ所と2倍以上になり、保護、整備等の管理体制の強化が求められています。
 5市町村では遺跡や指定文化財の保護方法や活用事業が異なるため、現況調査を行って整備計画や管理体制を含めて検討していきたいとしています。


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◇増加する山菜採りの遭難事故
 道警函館方面本部のまとめによりますと、今年の遭難事故発生件数(行方不明者数)は3日現在で11件(12人)を数え、例年を上回るペースになっています。過去3年間の件数では2001年が9件(9人)、02年が14件(16人)、03年が23件(28人)と年々増加しています。また、死者の数は01、02年がともに1人で、03年は2人。今年はすでに2人が亡くなっており、歯止めがかからない状況です。

◇昨年度は524万8000人(函館の観光客)

 函館市が発表した2003年度の観光客入り込み状況(推計値)によりますと、総数は524万8000人で前年度より約6万3000人(1・2%)減少で、2000年度以来の前年度割れでした。上半期(4―9月)は前年度比0・2%増の361万人だしたが、下半期(10―3月)が9月の十勝沖地震の影響などで同4・1%減の163万8000人に落ち込みました。前年度を下回ったのは2000年度以来のことです。

 月別では、最も多い8月が76万4200人で前年同月比0・9%増加、7月は64万9000人で同5・1%増加で、最も落ち込んだのは4月の30万500人で、同8・7%の減少でした。
 観光客の内訳は、道外からが351万9500人、道内からが172万8400人で、前年度同様、道外組が全体の67%を占めました。


◇HPで修学旅行誘致 

 函館国際観光コンベンション協会(沼崎弥太郎会長)が、修学旅行の誘致を目的としたホームページ「知りたい函館・南北海道、函館・南北海道修学旅行ガイド」を開設しました。
 北海道観光プロモーション協議会道南地域支部が作成した「修学旅行誘致ガイドブック」をもとに編集したものです。学校での総合的学習の時間など、情報技術(IT)関連の授業が多くなる中で、事前学習のツールとしての活用も見込んで、施設や人物紹介を充実させ、人物は50人、史跡は71カ所を紹介しています。

 同協会が「イチ押し」と勧めるのは、体験型の施設を条件に合わせて検索できる「わくわく体験学習」。地域のほか、屋内外、料金、参加人数の条件を入れると、道南56件の体験施設の中から条件に合った施設を選ぶことができます。
 ホームページアドレスは http://www.hakodate-kankou.com/syuryo/

[自主研修モデルコース]は大人の観光客にも参考になる内容です。一度ご覧になってみてください。

◇スルメイカ漁解禁 (6月1日)

スルメイカの画像 初夏の訪れを告げる道南近海のスルメイカ(マイカ)漁が1日解禁され、渡島管内松前町沖で操業したイカ釣り漁船が2日早朝、函館市入舟町の函館漁港などに初水揚げしました。

 函館漁港には午前3時半ごろから26隻の漁船が次々と帰港。昨年の初水揚げより13トンほど多い約20トンが同市水産物地方卸売市場に運ばれ、早速、初競りにかけられました。
 競りでは、体長15〜17センチと例年よりやや小ぶりで、漁獲量が多かったこともあり、初値は昨年より安く、1キロ当たり640〜960円で取り引きされました。それでも例年に比べやや高めでした。これから型が良くなり、水揚げ量も増えて値が安定するということです。

 道南のマイカ漁は来年の1月まで続き、函館沖では8月から10月までが最盛期。7月に入れば幻想的な漁火が市街からも見ることができます。

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